「恋愛病院 不倫病棟」 第十四回
四十代後半であろうか、夫と共に訪ねてきた女性は複雑な思いを鉄男に語っていた。
「ご相談お聞かせください」
「はい、先生。話が長くなりますが、夫の会社の同僚で結婚当初より仲良くしていた方が居るんです。その方は三年前に奥様を亡くされて、三周忌の忌明けを待って再婚されたんです。10歳ほど年下の奥様なんですが、先日ご一緒に旅行をと誘われまして同伴させて頂いたときのことなんです」
「再婚されたご友人との旅行で何かあったのですね」
「ええ、着いた旅館はとても良かったのですが、寝る時になって部屋で話しませんかと言われてお相手のお部屋に主人と行ったんです。そうしたら、夫に相手の方が言われたんです。
おれはあっちがダメになったから、無理を言うけど妻を慰めてやってくれないか?ってです」
「うん?自分の妻を抱いて欲しいと頼んだという事ですか?」
「そうです。私は何を言っているのだろうこの人はって思いましたが、続けて言われたのは、妻は我慢していると思うので浮気されるなら、こうしたほうがおれにはまだ救われるんだと。
そんなこと通用しませんよね?私の気持ちはどうなのって思いました」
「お相手の男性に私は嫌ですと言われたのですね?」
「もちろんです。主人も断りました。そうしたら、奥様の方が私に向かって言われたんです。
主人は前の奥様を亡くしてからショックで軽いEDになっていたので、私は慰めてあげれば治ってゆくだろうと思い結婚したけれど、いまだにダメだったので気を遣って無理を話したようです、と」
「気を遣うならそのようなことを前もって言わずに、旅行中に言わなくても良かったのにね。夫婦で考えて出した結論なんだろうけど、根気よく治療を続けて回復させることがそのご主人には必要ですね」
「長年夫とは仲良くしてきた方なのでお気の毒には感じられますが、奥様の体を慰めるなど夫に良いよなどと答える妻がいると思われていたのでしょうか?
非常識です」
「ご相談者の奥様はもしご主人がEDになって自分が満足させてもらえなくても一生我慢は出来ますか?」
「もちろんです。病気なのですから治療して治らなければ諦められると思いますけど」
「まだ四十代ですよね?人生は長いですよ。同年のお友達がそれなりに充実したセックスライフを楽しんでらっしゃるのを聞いたりしたら辛いと思うのは邪推でしょうか?」
「ご相談お聞かせください」
「はい、先生。話が長くなりますが、夫の会社の同僚で結婚当初より仲良くしていた方が居るんです。その方は三年前に奥様を亡くされて、三周忌の忌明けを待って再婚されたんです。10歳ほど年下の奥様なんですが、先日ご一緒に旅行をと誘われまして同伴させて頂いたときのことなんです」
「再婚されたご友人との旅行で何かあったのですね」
「ええ、着いた旅館はとても良かったのですが、寝る時になって部屋で話しませんかと言われてお相手のお部屋に主人と行ったんです。そうしたら、夫に相手の方が言われたんです。
おれはあっちがダメになったから、無理を言うけど妻を慰めてやってくれないか?ってです」
「うん?自分の妻を抱いて欲しいと頼んだという事ですか?」
「そうです。私は何を言っているのだろうこの人はって思いましたが、続けて言われたのは、妻は我慢していると思うので浮気されるなら、こうしたほうがおれにはまだ救われるんだと。
そんなこと通用しませんよね?私の気持ちはどうなのって思いました」
「お相手の男性に私は嫌ですと言われたのですね?」
「もちろんです。主人も断りました。そうしたら、奥様の方が私に向かって言われたんです。
主人は前の奥様を亡くしてからショックで軽いEDになっていたので、私は慰めてあげれば治ってゆくだろうと思い結婚したけれど、いまだにダメだったので気を遣って無理を話したようです、と」
「気を遣うならそのようなことを前もって言わずに、旅行中に言わなくても良かったのにね。夫婦で考えて出した結論なんだろうけど、根気よく治療を続けて回復させることがそのご主人には必要ですね」
「長年夫とは仲良くしてきた方なのでお気の毒には感じられますが、奥様の体を慰めるなど夫に良いよなどと答える妻がいると思われていたのでしょうか?
非常識です」
「ご相談者の奥様はもしご主人がEDになって自分が満足させてもらえなくても一生我慢は出来ますか?」
「もちろんです。病気なのですから治療して治らなければ諦められると思いますけど」
「まだ四十代ですよね?人生は長いですよ。同年のお友達がそれなりに充実したセックスライフを楽しんでらっしゃるのを聞いたりしたら辛いと思うのは邪推でしょうか?」
作品名:「恋愛病院 不倫病棟」 第十四回 作家名:てっしゅう