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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「恋愛病院 不倫病棟」 第十一回

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恋愛病院にも定休日はある。外来患者は原則土日受け付けていない。不倫病棟の看護師里紗は休みを取って久しぶりに元夫の高木と会っていた。

里紗の離婚は夫の浮気ではあったが、それより経済的な不安が離婚に踏み切らせた。
目の前にいる高木は昔の面影もなく、一人前に仕事してそれなりに社会人として頑張っている様子に見えていた。

「今日は呼び出したりしてすまなかったなあ。お前は昔と全然変わってないからすごいなあ~おれは変わっただろう?老けて見えないか?」

「まあ、お世辞言って。あなたは今は仕事しているんでしょ?」

「ああ、お前と別れたときはあの女に良いように振り回されたけど、別れて今は小さな会社だけど建築関係に勤めているよ」

「そう、別れたの。じゃあ、一人で住んでいるの?淋しくない?」

「淋しくないといえばうそになるよ。こうしてお前と会いたいって思ったのも、何というか、そのう、淋しかったのかも知れない。勝手だけど」

「そうね、勝手よね。会わないでおこうと考えたけど私も今は恋愛病院に勤めているから、何か気になったのよね。職業病かしら」

「恋愛病院?普通の病院じゃないのか?」

「治療に来る人はみんな恋愛とか家庭生活とかセックスとかに悩みのある人ばかり。入院している人もいるのよ。自分が働けるだなんて思ってもみなかったけど、先輩の早奈枝さんやドクターはとってもいい人。尊敬できるし、憧れの人たちだわ」

「セックスの悩みにどうやって答えているんだ?まさか身体で治療しているとかは無いだろう?」

「ううん、そんなこと当然よ。男の人の不安を取り除くために優しくしてあげているわよ。早奈枝さんなんか52歳なんだけど、めちゃくちゃ美人でテクもすごいの。もと風俗に勤めていたから半端じゃない」

「嘘だろう?それって買春行為で違法なんじゃないのか?」

「世間ではそう思われているのかも知れないけど、私たちは真面目だし、真剣に患者さんの悩みに答えているわ。退院してゆく人や治療を終えた皆さんから感謝されているもの。欲望だけで訪ねてくる人は原則受け付けてないの」

「そんなこと言っても、里紗を抱きたいと思って来るやつだっているんじゃないのか?その早奈枝さんともしたいって思う男は多いと思うぜ」