硝子文字
氷愛
氷の裸像はあなたに似ていた
僕の体は寒さで凍りつくようであったが
なにか過去に戻った気持ちが
僕の体を温めてくれた
湖面に飾られた氷の彫刻
それらの中に・・・・
ここで待っていてくれたのですかと
遠い過去に問いかけるあなたを観た
あなたと『さよなら』と言った湖畔
あなたがボートで去って行った湖畔
あの時は暑い夏だった
逢う事はもう無いと思いながらも
あなたの過去にあっている今
僕はあなたが好きですと今でも言えるのです
この氷の裸像に向かって
いまでも言えるのです
何時か溶けて消えてしまうあなたにですが
寒い朝なのに
寒い朝なのに
あなたは暖かさを運んでくる気がする