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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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灰と真珠

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石の鐘楼と階段


 男がトンネルのような空間に入ると、後ろに開いていた大きな穴がふっと消え、そのすぐあとに、たくさんのろうそくの火がひとりでにつきました。その明るさは、クリスマス、あるいはキャンドルナイトのようでした。彼の目の前には、石でできた高い鐘楼があり、それを囲むように長い長い石の階段がはるか上まで続いていました。
 たくさんのろうそくは階段に沿って置かれていて、まるで男を力強く導く光のようでした。男は、燃える火がもう怖くありませんでした。

 男は階段を上りながら、これはどこまで続くのかが気になりました。そのうちに、この階段は地上に続いているんじゃないかと思いました。もしそうなら、最初に誰に会おうか、いろいろ考えました。
 そうしながら階段をある程度上ったとき、はるか上にある灰色の鐘が、ゴーン、と一度鳴りました。男は、その音に思わず立ち止まりました。
(あの鐘の音、何なんだろう……)

 途中でしばらく休んだあと、男は再び歩き出しました。歩いている間に、今度はこの階段を上りきった先には、真珠の門があるんじゃないかと想像しました。その門をくぐった先で、あの女性に会えるかもしれない…。男はにわかに胸をどきどきさせ、歩くスピードを速めました。
作品名:灰と真珠 作家名:藍城 舞美