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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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灰と真珠

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  ところ変わって、真珠の門の向こうの世界。男に片思いをしていたあの女性がいました。彼女は、何やら考えているような顔をしていました。すると、1人の天使が彼女のそばを通りかかりました。そのとき、彼女は天使に尋ねました。
「ちょっとお尋ねします。あの、私がよく踏み切りで会っていたあの人はどうなったのでしょうか。変わらない日常を過ごしているのでしょうか」
 天使は首を横に振って答えました。
「いいや、あの男は水たまりに沈み、その後火と硫黄に満ちた場所に連行された。あの男は、もとより罪深い男だった」
 女性は、衝撃の事実に言葉を失ったまま、天使の顔を不安げに見ました。

 やがて女性は、聞こえるか聞こえないかの声で言いました。
「そんな、そんな悲惨なところにいるなんて…」
 天使は表情を変えません。
「確かに、私はあの人にあざむかれ、殺されました。それでもまだ私は彼を愛しています」
 彼女の言葉を聞いたとき、天使の表情が一瞬、緩みました。

 女性は続けて言いました。
「ねえ天使さん、神様にお伝えください。私があの人を愛していること、彼の罪がすべて許されることを祈っていること、そしてこの手で彼を抱きしめたいということを」
 天使は、女性の顔を見て、黙って一度うなずくと、一層輝くところへ飛んでいきました。
作品名:灰と真珠 作家名:藍城 舞美