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てっしゅう
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「幸せの交換」 第二十二話

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「うん、ありがとう。私って登志子や恭子に言われたけど本当にわがままだわ。直樹さんは幸せをたくさんくれているのにこんなことをしている自分が居るだなんて・・・
野口さんじゃなければきっとみじめに感じられたと思う」

「何故ボクならみじめに感じないの?」

「それはあなたの寂しさとか悲しみとかを感じられるから。私とこうすることで自分だけじゃなくあなたも慰められているんだと思えるからなの。わかる?今好きだと言ってくれたけどそれは嬉しい。でも本心は触れ合っていることで、私と接している時間で心の満たされない部分を埋めているからだと感じられたの。違う?」

「ウソじゃないよ、好きだと言ったことは。貴子さんが直樹と別れるなら堂々と付き合いたいし絶対に幸せにして見せる。それぐらい本気だよ。でも、貴子さんが本気でなくてもおれは付き合いたいし、仲良くしたい。お互いの満たされない部分を交換しているからそれで幸せなんだよ」

「満たされない部分を交換している・・・幸せになるために、幸せを感じるために交換しているということなのよね?」

「ああ、そうだよ。貴子さんはおれとのこうした時間を持つことで欲求不満は解消される。おれは貴子さんという美人と付き合うことで自分に自信が持てる。もし違う人と付き合って再婚するとなったらその時は別れるだろうけどね」

「そうね、あなたに再婚する人が出来たらお終いね。どうしよう・・・そうなったら?」

「それまでに直樹との関係を修復しろよ。その気になれば解決することなんだよ。あいつは心からそう思ってないから同じことを繰り返しているんだよ」

「もう夫のでは満足なんかできないと思える。たとえ同じようにされても」