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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「恋愛病院 不倫病棟」 第四回

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「勇太、ごめんなさい、お母さんを許して」

それ以上は言葉にならなかった。
勇太も驚きから返す言葉を失っていた。

「勇太君、お母さんはねあなたのことが嫌いで置いて出て行ったのではないのよ。お父さんと暮らすほうが経済的にそして男として立派になれるだろうと考えたからなの。私にも息子がいるけど母親として出来るだけ放任してるの。男の子は一人で考え、一人で弱い人を支えて生きる義務があるの。解る?
あなたのお母さんはね、今はここに居る人じゃなく、隣で先生と話している人なのよ」

「ボクのお母さんは、ボクのお母さんは・・・」

「うん、血がつながっているから本当の親子はここに居る人とだよ。でも、あなたが守らないといけない弱いお母さんは違うの。勇太君は本当のお母さんとこれからは血のつながりとして仲良くすればいい。でも、支えてゆくのはお父さんが愛している隣にいるお母さんなのよ。そして、きっと勇太君のことを世界で一番大切に愛している女性でもあるのよ。お願い・・・解ってあげて」

勇太はもう涙が止まらなかった。実の母親からも久美子さんを頼むと言われた。
鉄男がもういいだろうと、久美子を勇太とそして実の母親と会わせるようにした。
泣き止んだ勇太は久美子の傍に来て、

「お母さん・・・ゴメンなさい。盗んだことは謝るので許してください」

立派な男としてのその言葉に、そこに居たみんなが感動して涙した。
早奈枝は鉄男の治療方法にそのすごさを見た。また先生のことをどんどん好きになって行く自分がいた。

「先生、今夜飲みに行きません?なんか感動して嬉しくて・・・」

「いいね、じゃあ里紗も誘って行こうか」

「ええ、そうしましょう」

飲んだ帰り道で早奈枝は鉄男と腕を組んで歩いている。どんなに好きでも、どんなにいい女でも二人にはそれ以上の進展は許されなかったし、院長自身で決めた規則を守ろうとする姿勢は崩さなかった。