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からっ風と、繭の郷の子守唄 11話~15話

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からっ風と、繭の郷の子守唄(11)
「とうもろこしの正しいむき方と、五六からのアドバイス」


「トウモロコシってやつは、採りたてが一番うまい。
 次の日になると鮮度が落ちてくる。味も、一段階落ちて不味くなる。
 と説明しても、都会の人にはわからねぇだろう。
 都会の人がトウモロコシを口にするのは、出荷してから3~4日後だ。
 本当に上手い物は、現地でしか食えねェ。
 それが日本の流通の現実だ。
 だいいち。素人衆は、トウモロコシの皮の剥き方がなってねぇ。
 まったくもって下手くそだ。
 バナナのように上から皮を剥いているが、これが大きな間違いだ」


 赤いシャツの男が、抱えてきたトウモロコシをテーブルの上へドサリと置く。
『プロは、こうやるんだよ』と、包丁を取り出す。
トウモロコシの根元の部分に、包丁を当てる。
実と茎のギリギリの部分に刃を当てて、スッパと切り落としてしまう。

 『こうして下からむくのが正解なんだ』下側から、皮をはぎ取る。
『もうひとつ。裏技がある』濡れたふきんを手にすると、上から下に向かって
ぐるりとトウモロコシを擦りあげる。
ひげはもちろん、細かい毛まで綺麗にこすり取ってしまう。