ひだまりのねこ
会いたくない
君との逢瀬は
いつも待たされてばかりだ
「じゃあ明日ね」なんて軽く言えればいいのに
いつも君の都合で
私の予定はあってないようなもので
どんなに会いたいと思っても
君が許さなければ逢瀬は訪れない
指定された時間が
果てしなく長く重く体にのしかかって
ものを食べることも
音楽を聴くこともできずに
時計の秒針をじっと見つめている
あと１０分、あと５分と
カウントダウンをするたびに
心臓が握りつぶされたように苦しくて
こんな思いをするくらいなら
最初から約束しなければよかったと思うほどで
でも会いたくて
どうしようもなく会いたくて
家を出る時間になって
舞い上がっていることを悟られたくないから
冷静になれと自分に言い聞かせて
来ても来なくてもどっちでもよかったんだよなんて
余裕のある態度を取り繕って
そうこうしているうちに
君の車が滑り込んでくる
会いたい 会いたくない 会いたい 会いたくない
君の気紛れな逢瀬だとわかっていても
どうせ私は逆らえやしない
だって全身がこんなに喜びで震えている