小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

その後のお母さん畑。~二ヶ月後~

INDEX|4ページ/4ページ|

前のページ
 

『あっ、ちょっと無理。自分も抜ける…。』
と言い出した。
どういうことかと根元を覗きながらもう一度クイックイッと引っ張ってみたら、草の隙間をカボチャのツルが這っていた。
これは複雑!!と思った私は草から手を離した。
『難しい状況~。』
と私はカボチャに伝えた。
沈んだ声でカボチャは、
『…我慢する…』
と言った。

お母さんと初物のスイカ残り半分を食べている時に、お母さんがふと、
『近所さんもスイカ育ててるところもあるんだけど、みんなタヌキが出てぐちゃぐちゃにされて全滅だって。お母さんの畑のスイカは全く荒らされてないから、近所の人たちに、“ここだけタヌキが来てないのはどうしてでしょうかねぇ~。”って言われるんだけど、上の話なんて出来るわけないし、変な宗教なんて思われでもしたら嫌だから、お母さん近所の人に合わせて、“ねぇ、何ででしょうねぇ~。”って言ってる。』
と言った。
『ちゃんと畑に立ってくれてる上にお礼した?!本当に上が立ってるからタヌキが来なかったかは分からないけど、上のおかげかもしれないんだからちゃんとお礼してよ!!』
と私が言ったら、虫や野菜たちにお礼をするよりも深々と心を込めて、スイカを持ったままお母さんは畑に向かって、
『どうも、ありがとうございます。タヌキが来なかったのでスイカがとても美味しいです。』
と言ってパクッと食べた。
それで良いのか悪いのか…私には分からなかった。