気持ちのままに
上司の人気
高教組の組合新聞に管理職として適格かどうかのアンケートがある。対象は教頭、校長、事務長である。
ほとんどの管理職はその結果を大変気にする。私が仕えた管理職の中で1人だけ全く気にしない校長がいた。校長として相応しいか20パーセント。相応しくない50パーセント。どちらとも言えない30パーセント。正確ではないがこんな数字だ。
「この評価は悪くて当然、校長は仕事をしなければ」
と平然と言った。
体育着を購入する際の業者の決定などは決定権のある教師にスポーツ用品などの差し入れがある。制服なども指定店の獲得で何らかのリベートが学校に入る。それまで当然と思われていた、慣習だった。
「生徒が安く購入することが大事だ」
と廃止した。
修学旅行などもそうであった。PTA会費なども教職員は免除されていたが取りやめになった。
これらのことは、今では当たり前の事であるが、少し前には大改革であった。それまでの管理職であっても、改革の気持ちがあった校長もいたのだろうが、実行できなかった。反発は分かり切っていたからだ。
「私が言うのではなく職務で言うのだから・・・」
よくそんなことも言った。
人気のある上司。そのことばかり気にしていては改革は出来ないが、信頼があれば、仕事はうまくいくはずだ。押さえつける威圧、怖さではなく信頼である。
私はその校長から多くを学んだ気がする。