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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「幸せの交換」 第十七話

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「野口さんはお金持ちだったから、登志子はあなたの急激な変化に戸惑って、考えられずに自分を見失ったのかも知れないね。子供が小さい間は堪えていたけど、手が離れたら自由になりたいと思った。私にはもう男性はいいから女性同士で遊びたいと話してた」

「そうかい。あんなに求めていたことが嘘のように変わったから、女性って気持ちが無くなったらそういうことには関心が無くなるということに気付いたよ。貴子さんを前に変なこと言うけど、おれは寂しかった」

「うん、よくわかるわよ。野口さんの気持ちは。女は心が不安定だから、男の人に誤解させたり、不興をかったりする。秋の空っていうものね。再婚は考えているの?」

「再婚?いや、もういいね。自由に恋愛が出来ればしてみたいけどね。こんな俺じゃ誰も相手にはしてくれないだろうけど、男としてはまだまだ頑張れると思ってるよ」

「そんなこと言って・・・レディの前よ」

「そうだな、ゴメン」

「ハハハ~野口さんって正直なのね。何だか見直したわ。最初に登志子に紹介されたときは何だか合わないって思えたけど、月日が経つと価値観が変わるのかしら。男の人を見た目で判断できなくなる。それは男性からも同じことが言えると思うけどね。カッコいいとか、お金持ちとかいう色眼鏡かけて見ていたのよね。近視から遠視になって眼鏡掛け直したら、違う風に見えたなんて言う感じかしら」

「面白い表現だね。貴子さんは頭いいんだね。そう感じた」

「褒めてくれている?」

「もちろんだよ」

「ならいいけど」

野口は若い時と違って落ち着いた雰囲気を出していた。スーツ姿がそう見えさせたのだろうか。容姿には現れない男のフェロモンとでも言うのだろうか、男らしさは伝わってくる。
この時自分の中の何かが変化した。