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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「幸せの交換」 第十四話

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ちょっと気が引けたけど、夫に断って参加する決心をした。と言うか、断れる雰囲気ではなかったのだ。
最年長は課長でほぼ同い年、後は三十代と二十代の青年ばかり。結婚していたのは課長と三十代の一人と私で、残りは独身だった。

歓迎会が始まって、お酒がすすむ。私はあまり飲めないのでお酌を断りながら少しずつ飲んでいた。

「兵藤さんは、とてもお歳には見えませんから、ご主人が羨ましいですよ」

課長がそうつぶやいた。

「そう言って戴けてうれしいです。課長の奥様はどのような方なのですか?」

「おれか?うちは年上で今年五十五歳になる。もう現役引退だよ、ハハハ~」

「まあ、なんて失礼なことを・・・お可哀想ですわよ」

「本当だから仕方ないよ。向こうは女やめてるから。同じ女性とは思えないよ、兵藤さんとは」

「子供さんはお幾つなんですの?」

「上は女の子で去年に結婚したから、もうすぐ孫が生まれそうだよ。下はまだ独身だけど息子だからまだいいって思える」

「そうですか、家は上が息子で下が娘ですの。逆ですわね」

「そうなの?娘さんはいくつなの?」

「今度成人式です」

「若いね。きっと美人だろうな、兵藤さんに似て」

「いえ、夫に似ていると言われますよ。息子はわたし似ですけど」

「そう、じゃあ息子さんはイケメンだ、モテるだろうね」

「どうでしょう、彼女らしき人は居るようですが」

「お母さんとしてはちょっと心配って感じなのかな?」

「息子のことですか?いえ、全然心配なんかしていませんよ。男の子だし自由にすればいいって思います」

「母親は息子可愛いっていうしね。うちなんかもそう。きっと結婚したらお嫁さんに嫌われるタイプだと思える」

「そこまで心配されても仕方ないと思いますけど」

「だよね。なんか俺ばっかし喋っちゃったなあ~お前らなんか話せよ」

課長は部下の男子社員にそう言った。