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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「幸せの交換」 第十三話

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「そうよ。まずは仕事しなさい。お金はあっても困らないから。自分のために使えるしね。今の経済的な幸せを手放すのはもったいないよ」

「うん、それは思う。今夜帰ったらまず主人にそのこと話してみる。お願いするように言わないといけないのよね」

「そうそう、なぜいけないのって言わない事よ。あなたに優しくするために外に出たいと言いなさい。理由聞かれたら、仕事の厳しさを感じられれば、あなたのことが見直せると言えばいい」

「ありがとう。そういえば納得してくれる気がする」

登志子は結婚してもずっと働いてきたからそういうことが言えるのだろうと感心した。
恭子もうなずいていたので同じ思いだったのだろう。
夕飯が済んで、お風呂を済ませて、私は主人を誘った。

「あなた、お話ししてもいい?」

「離婚することに決めたのか?」

「そんなこと言って・・・違いますよ。昼間の時間にパートの仕事でも始めたいと思ってお許しが戴きたいの」

「仕事したいのか?何故なんだ?」

「うん、時間があることも理由だけど、仕事すれば世間の厳しさが少しは解るのかもって思うの。家に居てはあなたに対してわがままばかり言ってしまうしね」

「ふ~ん、お金が欲しいということじゃなければ許すけど、家のこと疎かにしたらダメだぞ」

「うん、それは守る。ありがとう。ねえ?今夜仲直りで部屋に来て・・・」

「ああ、そうだな」

今までより少し自分の気持ちが夫に甘えたいと思えていた。不思議なことに始まってすぐ感じるようになり蜜が滲み出すようになっていた。
いつものように入ってきてすぐに果てた夫だったけど、私の変わりように驚いたのか、そのまま抜かずにじっとしていた。