ヴァリング軍第11小隊の軌跡(仮)
軍人入団試験
面接を見事合格した市花、小百合、悠斗、柚、寛、恂、綾乃、凪、静香、ミーシャの軍人学校の学生勢と樹音、峰子の一般勢の総勢12人が次の試験会場へ船で向かった。
船の中では豪華な夕食が用意されていた。パスタ・ピザ・リゾット・パン・ステーキなどがバイキング形式になって大きな円形テーブルの上にズラリと並ぶ。皆はそれを見た瞬間食いつきもりもり食べ始めた。よっぽどお腹が空いていたのだろう。あっという間に食べ終えるとお腹がいっぱいになったのか仮眠を取る子もいれば、外の風にあたりにいったり、談笑したりとし、夜10時ごろには揃って全員眠ったのだった。
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2月12日
試験1日目
早朝6:00
市花達は目を覚ました。
試験会場には既に到着していて彼女達が起きるのを待つだけだった。市花達はそれぞれ荷物を持って船から降りた。中に浮いたような浮遊感も無く、久し振りではないが地に足を付くという安心感を覚えた。しかし浮かれられたのはそこまでだった。
船の船長が12人の受験生達に言う。
「この島で3日間生き延びた者達が軍の入団試験合格者とする!」
受験生達は驚いて何も突っ込めないでいる。
「そしてワシ等は仕事が詰まっておるので今から戻るが、迎えが来るのは3日後の午後10時頃になるだろうから、それまで耐え抜く事じゃ。じゃあの」
市花達をここまで連れてきた船は颯爽と何処かへ行ってしまったのだった。
呆然とする受験生一同。
すると突然何かが飛んできた。
「え?」
それを見た小百合が大声で叫んだ。
「逃げて!!」
それぞれ急いでその場を離れる。そして飛んできた小さな物がコンッと砂浜に落ちると約5mの範囲で大きな爆発をした。何とか避けきるのが精一杯で爆風で吹き飛ばされたが逃げるので必死だったため皆が生き残ったのか確認せずにバラバラに森の中へ走り込んだ。
作品名:ヴァリング軍第11小隊の軌跡(仮) 作家名:鳶織市