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ヴァリング軍第11小隊の軌跡(仮)

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     ○




 ルナは手紙を読み終えると掃除を再開した。
 そしてルナはその日の内に家を出たのだった。
 それから旅をして色々あり、ある人物と出逢った。
 その人は、アシア・エミリアという料理人だった。王宮専属料理人のアシアはルナの味覚を認めると「お前に職をやろう」と言いアシアについて行った。その後は地獄のような日々だった。アシアによる激スパルタの料理修行だったのだ。毎日毎日怒られていたルナだがトマトソースの出来だけは褒められた。



「誰に習った?そのソース」

「ヴァーザにいたウールという料理人です。ボクの師匠です」

「ウール?もしかしてウール・パークスか?」

「は、はい!知ってるんですか!!?」

「共に修行をした中だ。ウールは今どうしてる?」

「…それは…もう……」

「…そうか……」



 アシアは目を閉じる。
 そして言った。
 


「ルナ」

「はい!」

「貴様にウールの代わりをやれなんて私は思ってないぞ。貴様には貴様にしか出来ない事がある筈だ。この厨房にずっといたいなら、貴様自身の力を私や他の者達に見せ証明してみせろ。貴様の存在価値というやつを」

「はい!」



 翌日からルナはトマトソースだけを作っておいてその後はこの王宮調理場にある調味料をすべて味見し味を覚え、自分でブレンドを作っておいた。徹夜で3日間部屋に引き籠ってした成果はきっちり調理場で繁栄されていた。皆はそれを喜んでくれてそのあとからルナを自分達の創作料理の味見係にさせた。
 ルナは味見係を喜んで受けると同時に様々な調理法などを料理人達に教えてもらったのだった。