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ヴァリング軍第11小隊の軌跡(仮)

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面接


 市花、小百合、樹音はそれぞれ違う場所で報せを聞いた。





 面接日の2月11日。





 いよいよ時は来た。
 市花と小百合は軍人学校の制服で、樹音は一般なので動きやすい私服で面接会場がある場所へ向かった。



 王都・ヴァリング*ホテル



 10:00






 控え室には市花達以外にもたくさんの少年少女の候補生が集まっていた。受験者はザッと見た感じ60人位だった為、人もキツキツだった。
 ほとんどが軍人学校から来た生徒達だったが、樹音のような一般人も何人かいた。ザワザワしていて皆が今か今か待ちどうしくしていた。そして、面接が始まった。




 面接は違う部屋で個別に行われる。防音効果がしている部屋なのでどんな質問をしているのかなど外にはまるで聴こえないようになっている。順番はランダムで一人15分できっちりで終わっていった。






 11:30






 市花の順番は割と早く来た。



「次は、軍人学校出身の市花・ユリ」



 市花は返事をして立ち上がる。



「はい!」



 そして控え室を出て行った。




面接は意外にも控え室の2つ隣の部屋で行われていた。



「どうぞ」

「はい。軍人学校から来ました。市花・ユリです、入ります!」



 市花はドアを開け中へ入る。
 中央に椅子が一つだけ置かれていた。市花は面接官の女性に向けて会釈してからドアを閉め、椅子の方へ行き鞄を床に置いて座った。



「では、わたしがこれから質問する事に嘘偽りなく答えて下さい」

「あ、はい!」

「まず、自己紹介をして下さい」

「市花・ユリ、14歳。えっと元は軍に余り興味とか無かったんですけど、一度だけ軍人学校の生徒がやってる訓練を見学出来る学校見学に参加した時にコレだ!と思って興味が湧きました。」

「あなたの長所と短所は何ですか」

「諦めが早い所と開き直りが早い所です。どっちも短所みたいなものですけど…」
「確かにその言葉だけ聞くと短所と捉えられてもおかしくないと思います。しかしそれが長所となる時が必ず来ます。それを忘れないで下さい」



「は、はい」

「では次の質問です。控え室にいたあなたと同世代の生徒や一般から来た人達をみてどう思いましたか」
「軍人学校から来ていた人達は緊張感が凄くて普段から仲の良い友達もピリピリしてて話し掛けずらかったです。一般から来た人達は何か場違いな場所に来たみたいな感じでソワソワしているように感じました」

「あなたはそれを見てどう思いましたか?もう帰ればいいのにと思いましたか?」

「そこまでは流石に…でも、もうちょっと緊張とけばいいのにとは思いました」

「判りました。では最後にあなたが軍人になってやりたい事は何ですか?」

「まだそこまでは決まってません、流石に…。私かなり中途半端というか
優柔不断な性格で、勉強もあんまりだし…でも体を動かして訓練したり、魔法の訓練は習得に少し時間が掛かったとはいえかなり楽しかったんで、頭を使うより、使われる方が向いているのかなとは思います…」

「判りました」



 そう言って面接官の女性は机の上に置いてあった封筒を私に取りに来させ言った。



「市花・ユリ、面接合格です。ですが、余り自信を過小評価などせずに。今、自身に何もなくてもやりたい事というのは必ず時がくれば見付かります。それが早いか、遅いかの違いです。だからもっと自身に対し、諦めないで下さい。それからこの封筒はホテルの外にいる係の者に渡して下さい。次の会場へ連れていって貰えますので」

「はい、ありがとうございました!」



 市花はすぐにホテル外へ出た。