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ヴァリング軍第11小隊の軌跡(仮)

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お知らせ



 市花・ユリ、現在14歳。
 12歳の時に親に頼み込んでヴァリング王家が主催する軍人学校へ入った。元々体を動かす事が好きだった市花はそこでの訓練を楽しんだ。軍人学校の訓練は鬼のようにキツイものだったが一般にいた頃では知る事の出来ない魔法を習えた。習得には時間が掛かったけどでも楽しかったので乗り切れた。でも勉強は物凄く難しかったのでテストは毎回赤点だった記憶がある。諦めが異常に早く、開き直る事も異常に早い。そんな長所なのか短所なのか判らない武器がある市花が14歳になった時に学校の掲示板にある貼紙が貼られていた。



 ヴァリング王国軍、入団者募集中。
 軍人学校、一般からも募集します。
 年齢は男女共に14歳〜18歳まで。
 お待ちしています。



 というものだった。
 市花は息を呑んだ。
 何か風が吹いてきたと思った。
 市花はすぐに募集届に自分の氏名、年齢、生年月日、住所、名前、特技などを書き送ったのだった。





     ○





 小百合・ハナ(14)も軍人学校にいた。
 綺麗だけど何処か近寄りがたいクールな雰囲気を漂わせていた小百合はまさに一匹狼という言葉が良く似合う少女だった。勉強、魔法、戦闘など様々な訓練にトップクラスで優れていた小百合だったが唯一コンプレックスを持っていた。
 それは、母がヴァリング王国の宰相で、姉が軍の第一小隊の隊員だった事だった。まさにサラブレットの血筋と言え、約束された将来の軍のエース候補だった。しかしどんな結果を出しても「サラブレットだから当然」「DNAに恵まれて羨ましい」「落ちこぼれの気持ちなんてどうせ判らない」など周囲の評判は決していいものでは無く、小百合は早くこの学校を卒業したいとさえ思っていた。
 そんな時、学校の掲示板にある貼紙が貼ってあった。
 それを見た時、小百合は心の底から喜んだ。そして募集届に記入事項を全て書いて送ったのだった。





     ○





 樹音・ヒサカタ(14)は、街全体が見渡せる灯台の上にいた。
 元軍人の親を持つ樹音自身は軍人学校の存在を知っていたがお金が無く入れなかったのだ。なので軍で習う筈の戦闘、勉強、魔法などの訓練を当たり前だが受けていない。体力など全ての面で劣っているが、一つだけ誰にも負けない特技があった。
 それはトランペットだった。
 軍には音楽専用部隊があり、ラッパ手という職種まである。
 軍人で働いていた母親をまじかで見た樹音は一目でその姿に惚れ、憧れた。そして自分もこんな風になりたいと思い決心した。母が亡くなってから3年の間、彼女が残してくれた楽譜や音楽の本などを読み込み、寮付きのパン屋でバイトをしながら暮らしていた。
 そんな樹音に一報が入る。
 それは軍への入団募集の貼紙だった。


 ヴァリング王国軍、入団者募集中。
 軍人学校、一般からも募集します。
 年齢は男女共に14歳〜18歳まで。
 お待ちしています。


 という内容で何と一般人OKというものだった。
 樹音はすぐに一般用の募集届に記入事項をすべて書いて送ったのだった。





     ○





 そして面接のお知らせが3人の少女の元へ来た。