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連載小説「六連星(むつらぼし)」第91話~95話

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連載小説「六連星(むつらぼし)」第91話 
「首相官邸は、どこにある?」


 「首相官邸前まで乗り付けると言うのは、無理です。親分。
 国会議事堂はあるし、周辺は霞ヶ関の官庁の建物で埋めつくされています。
 俺たちが崇拝している皇居まで、目と鼻の先です。
 今回のデモは予想を上回り、4万人を突破するだろうと書き込まれていやす。
 規制も当然かかっているでしょうし、難しいこと、この上なしです」

 助手席でカーナビを操作している凸凹コンビの小さい方が、
いかにも無謀すぎますと、後部座席の岡本を振り返る。


 「難しいのを何とかするのが、お前たちの仕事だろう。
 交通規制だろうが、警察の検問だろうが、すべての障害を突破しろ。
 とにかく最善の方法で、官邸前まで響を送り届けろ。
 出だしからつまずいているようじゃ、響をお前らにまかす訳にはいかねぇぞ。
 困難は、常に突破するために有るもんだ。びびるんじゃねぇ。
 しっかりしろい。お前たち!」

 「へい、わかりやした。なんとか方法がないか、もうすこし検索してみやす」

 「4万人か・・・・すさまじい数字だな。
 官邸前に、それほどたくさんの人が集まれる場所が有るのかよ。
 まさか。道路を占拠するわけじゃあるまいな」