すてきなあなたに憧れて2
ざわざわ
胸の「ざわざわ」が止まりません。
胸痛とか、心臓の様子がおかしいとか、そういうものではありません。
ざわざわを分解してみると不安、悲しみ、苛立ち、苦痛・・・あまり良い印象の言葉は見当たりません。
子どものころから、割といつでもこのざわざわを抱えてきました。
ただ最近は特にざわざわを感じることが増えました。
今の自分の状況に対して不満を抱いているからでしょうか。
毎日、仕事から戻ると何もできない自分がいます。
今日も精いっぱいやってもうこれ以上動けない!といった、さわやかなものではありません。
ただひたすらに脱力感、虚無感、自己嫌悪が待っているのです。
「今日も何も成果を残せなかった。」と。
一日一題文章を書こうと思っていましたが、この虚無感にとらわれるとそれも出来なくなります。
「四十にして惑わず」とは有名な言葉ですが、実はその前に「三十にして立つ」という一文があります。
四十で惑わないためには、三十の時に学問の基礎ができて自立していなければなりません。
今この時期に当たる私ですが、学問の基礎はおろそかにし、自立を決めたわけでもなく・・・。
孔子が見れば一笑に付すようなものでしょう。
結婚しない人生とは、そんなに悪いものなのでしょうか。
子どもを産まない女性は、そんなに悪いものなのでしょうか。
微妙な空気を読めない人は、そんなに悪いものなのでしょうか。
非正規雇用の労働者は、そんなに評価が低いものなのでしょうか。
どうして皆が苦しみながら、生きていかねばならないのでしょうか。
ざわざわ、ざわざわ、ざわざわ・・・。
作品名:すてきなあなたに憧れて2 作家名:さかいあきこ