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てっしゅう
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「幸せの交換」 第十一話

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世間から見たら、羨ましい生活ね、と言われる典型だろう。
それに若いころから男性にはちやほやされていたから容姿には自信があった。モテたいと思う気持ちより、自分はいつまでも若く綺麗でいたいと思う気持ちの方が強かった。
夫が浮気しなかったことも、毎日のように求めていたのも、この身体あってのことだと自負できる。

そんな私が女を満足出来ていないなんて、悲しすぎる。
子育てが終わって五十歳を迎えてその思いは大きく膨らんでいたのだ。
もし素敵な男性との出会いを探すとしたら、どうする?
テレクラ?それは危険だ。
出会いサイト?それも危険だ。
趣味のグループに入って探す?たとえばカラオケなんかはどうだろう・・・

そんなことを考えて眠れずにいた。
自然と自分の指が敏感な部分を撫でていた。最後まではイケなかったが、夫との行為よりは数倍気持ちよく感じられた。

しかし、こんなことばかりしていてはダメだ。
いい歳して中高生じゃあるまいし一人エッチにふけるだなんて恥ずかしい。
そんなことしたいと思う自分じゃなかったはずだ。そう思うと余計に夫が憎らしくなってくる。

やっぱり人のせいにしている。自分が変わらないと相手は変わらないと聞いたことがある。明日は夫に昨日のことを謝ろうと思う自分もそこにはいた。

翌朝夫と顔を会わせるなり、「ゴメンなさい、言い過ぎました」と頭を下げた。
そんな私を見るでもなく、聞いているでもなく、返事は来なかった。
食事の時も黙っていた。そして仕事に出かけた。