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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 敗北と幸一の運命 1.

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ミッドウェー海戦には日本海軍が誇る空母「赤城」「加賀」「飛龍」「蒼龍」を中心に戦艦・重巡洋艦など十七隻が護衛する陣容だった。
先を行く南雲艦隊の後方四百八十キロの地点には、連合艦隊司令長官山本五十六の座乗する旗艦、戦艦大和を中心とする主力部隊が続いていた。

この他にアリューシャン攻撃部隊などを加えると艦船三百五十隻、将兵十万を数える世界史上空前の出撃となっていた。
これを迎え撃つ米太平洋艦隊司令長官ニミッツ率いるアメリカ海軍は必死の陣容で、空母三隻、重巡洋艦以下の可動艦船二十五隻のなけなしの兵力をすべて戦場に送り出していた。

五十六の戦略は当たった。
しかし、結果は日本側の大敗となってしまった。すべての空母が沈没し、航空機約三百二十機を失い、三千五百人が戦死した。
わずかに山口少将率いる空母「飛龍」が仕掛けた第三次攻撃で敵空母ヨークタウンを航行不能に陥れ、その後沈没させた。