小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

「もう一つの戦争」 開戦と子育て 6

INDEX|1ページ/3ページ|

次のページ
 
裕美子の予想通り、三月の五日には東京で空襲警報が初めて出された。
そしてその約一月半後にアメリカ陸軍爆撃機十六機による東京、名古屋、大阪の初空襲が現実のこととなった。
空襲におびえた軍部首脳は本格的なアメリカ艦隊との決戦を山本五十六連合艦隊司令長官の指揮の下、ミッドウェーに照準を合わせて計画が進められていった。

旗艦空母赤城で指揮を執るのは、真珠湾での指揮官南雲中将であった。
空母飛龍では山口少将が指揮を執る。当然幸一も山口にお供してゆく予定であったが、訓練中にエンジントラブルで不時着して足を負傷してしまい、海軍の病院に入院してしまった。
五十六から、今回は休んでおれ、と言われて涙をのんで堪えなければならなかった。

裕美子は軍からの電報を受けてすぐにでも駆けつけたかったが、この不安が引き金となって急に産気づき、その日の夜に女の子を出産した。
きしくも誕生日は四月二十九日。天皇誕生日と同じであった。
体調が回復した三日後に女将からは無理をするなと言われたが、幸一の入院している海軍病院へ生まれた子供を連れてゆく決心をした。