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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「幸せの交換」 第九話

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「恭子、我慢はしたくないの。夫と離婚してもいいけど、私も登志子と同じように実家に行かないと暮らせないから、得策ではないと思える。だからそのね、こんなこと言うのは初めてなんだけど、恋愛は別に考えたいって・・・思うようになった」

「貴子、あなたそんなこと考える人だった?私の浮気をあれだけ軽蔑してたのに」

登志子は私の言葉に耳を疑った。

自分は浮気をしたいと考えていたのではない。身体がこのまま満足を知らないで女を終えることが悔しいのだ。周りの女性はみんなそれなりに満足していると思うと、自分だけが全く満足させてもらえていないと言うことに悔いが残っている。
男性が通うように女性用のソープでもあれば行きたいのだが、きっと心が通じていない相手とは夫の時とそれほど変わらない感覚だろうとは想像できる。

夫が奮起して我慢してくれるようになれば問題は解決するけど、それを言い出すと何と言い返されるか予想がつくので言えないでいた。

「貴子、こんなこと言うのは酷だけど、今の旦那さんは経済的にも社会的にも立派な人みたいだから、浮気なんて考えずに少しずつ歩み寄って感じられるように努力するのが良いと思うよ」

「恭子、それはそうだよ。わたしもそれが一番の理想だと考えている。明日帰ったらきっと夜に夫は求めてくるだろうから、勇気だして言うよ。その結果次第で自分がどうするか決める」

「どうするか決めるって・・・望み通りにならなかったら浮気相手を探すと言う意味なの?」

「そういうことになるかも知れない。残された時間はそれほどないのよ。五十歳でしょ?相手にしてくれる男性の年齢考えたらもうギリギリって思えるの」