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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「幸せの交換」 第八話

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「登志子は苦労したのね。知らなかった。夫も連絡出来なくなったから心配してたわ。サラリーマンの夫にはバブル崩壊は他人事のようになっていたけど、商売をするって大変なのね」

「貴子、商売は順調だったのよ。いけなかったのは不動産投資・・・そそのかされてやってしまったから本当に悔しい。銀行もやれやれだったしね。まさか土地の値段が半分以下になるとは思えなかった。恨まれるのは橋本総理よね・・・」

「登志子、私のところも別れた夫が株をやっていたからよくわかるのよ。倍々ゲームみたいになって、夫はお金で女と遊んでいた。モテる容姿じゃないのにお金って怖いよね。自分がモテるって錯覚をする。別れた後でバブルが崩壊したから、たんまりと慰謝料はもらえたけどね。子育ては大変だった。お互いに自由になれたら好きにしたいって思うよね」

「でも登志子はどうやって一人で暮らしてゆこうと考えているの?お金ないと暮らせないし、楽しめないよ」

「貴子、幸いね自分の両親が健在で訳話したら、同居しないかと言われているの。両親の介護も出来るからそうしようと決めてる。恭子はご両親と暮らしてるの?」

「私?ううん、一人だよ。マンションは夫名義だけど、賃貸じゃないから固定資産税だけ私が払って譲って貰った形にしているの。パートの収入だけで子供にはお金かからないから十分暮らせるのよ」

「いいなあ~私は一人暮らしすることは難しいかな。今の収入は10万ちょっとだから、安アパート借りるにしても難しいって思う」

「そうよね。ご両親も一緒に暮らしてもらえば何かと安心だから喜んでもらえるよ」

恭子の言葉は登志子には自分がみじめに感じない拠り所となっていた。

「ねえ、それより、最近みんなあちらの方はどうなの?登志子は旦那さんと離婚する気持ちだから無くなっているだろうけど、貴子は週一度ぐらい楽しんでるの?」

話を振られた私は聞きたいことがやっと話せると思った。