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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「幸せの交換」 第八話

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「結婚ね・・・恋愛の延長じゃないから、そういう部分は大切よね。私は夫の浮気が許せなくて離婚したから、もう恋愛なんてしないと決めてたけど、子育て終って一人になると考えたら、急に寂しくなって今は好きになれる人が現れたら再婚まで行かなくても一緒に暮らしたいと思うの。登志子のところはどうなの?」

「私?うん、正直に言うけど今離婚しようと考えてる」

この発言には貴子も恭子も驚かされた。

「どうして?野口さんお金もあって何不自由なく暮らしているんじゃないの?」

貴子は今日の服装を見てちょっと登志子らしくないとは感じていたがそう疑問をぶつけた。

「貴子、実はねバブルが崩壊したあと野口の事業所は借金抱えて倒産したの。信じられないことだったけど、それで私たちは住むところを変えて共稼ぎをしながら子育てしてきた。夫は宅配便のドライバーをして私はスーパーのパートをして頑張って来たけど、本当に疲れた。あなたに連絡をしなくなったのもそんな姿を知られたくなかったから。それは野口も同じだったと思うの」

登志子の夫、野口は父親の事業所がバブル期に投資をしてそれが崩壊と共に返済できなくなり、担保として差し出していた事業所の土地建物を取られ、残った借金を親と自分たちの不動産を売却して返済に充てたが完済できずに自己破産をした。

土地の値段が恐ろしく暴落して十分な担保能力にならなかったのである。
野口は真面目な性格ではあったがこの時からあまり話さなくなり、仕事から帰って来ては、お酒を飲んでいることが多くなった。当然のことのように登志子の身体を満足させていた夜も遠ざかるようになっていた。