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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 開戦と子育て 3

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「はい、司令長官は思慮深いお方です。そのお考えに間違いはないと思っております。与えられた任務を自分なりに精いっぱい務めさせて戴きます。それで閣下にお願いがあります。厚かましいのですが、わたくしを整備任務から飛行士にとりなして戴けないかと強く志望する次第であります」

「零戦に乗りたいと思っておるのか?」

「はい、子供の頃からの夢でした。叶えてお国のために役立てたいと考えております」

「希望者が多いので難関だぞ。口はきいてやろう。五十六が認めれば決まったようなものだが、恥をかかせないように勤めるのだぞ」

「ありがとうございます。命に代えましても国と閣下、司令長官のために尽くします」

「うん、しかし、それを言うならお前の妻とこれから生まれるであろう子供のために命を使え。その思いが国家や陛下のために尽くす気持ちに通じるのだ」

「ありがたくお受けいたします」

米内は若い幸一のあふれんばかりの思いが羨ましかった。自分は今の立場では先頭に立って戦うことはもう出来ないと知っている。五十六があの年齢で連合艦隊を指揮して戦艦のデッキから全軍に命令する姿をある意味嫉妬していた。