「幸せの交換」 第六話
同窓会の会場は大阪城公園駅の近くにあった。
到着すると後ろから声をかけられた。
「貴ちゃん、おれだよ、おれ!」
振り返ると同級生の一人だった。
「えっ?誰だっけ・・・思い出した!クラス委員やってた大森君ね」
「そうだよ。久しぶりだなあ~それにしても貴ちゃんは美人になったなあ~昔も綺麗だったけど、変わってないって言うのがすごいよ」
「まあ、昔からそんなお世辞上手だったかしら?」
「お世辞じゃないよ。みんな驚くぜきっと」
「ねえ?登志子って来るって聞いてる?知らない?」
「いや知らないよ。受付で聞いてみるといいよ。来る人は全部わかっているから」
「そうね、そうする」
少し早足になって私はホテルの二階に出来ていたメイン受付に並んだ。
「十五期の川野貴子です」
「やあ、川野さん。お久しぶりです」
「そうね、みんな変わってるから解らなくて失礼したわ。あのう、聞きたいんだけど登志子、福田登志子さんって来る予定になってる?」
「何組?」
「同じ組だよ。忘れたの?」
作品名:「幸せの交換」 第六話 作家名:てっしゅう