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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 開戦と子育て 2

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「そうか、五十六が感心しておった様子なので少し聞いてみたのだ。何も知らないと言うのならこれ以上は聞かぬ。妹と仲良くしてやってくれ。あいつは結婚もしないと意地を張っておるので、ここで一生暮らすつもりだろう」

「はい、わたくしも世間知らずですので女将さんが居らっしゃることは大変助かります」

「そうか、それは安心した。部屋で少尉と仲良くやってくれ」

「そのようなことを・・・恐れ入ります」

裕美子は幸一と久しぶりの時間を過ごした。
お風呂から出てきてビールを飲みながら幸一はある重要なことを話し始めた。

「裕美子、聞いてくれ。司令官から許しを得てのことだ」

「はい、何でしょう?」

「どうやらアメリカは我が国に石油を全面輸出禁止にするらしい。現在過半数以上をアメリカからの輸入に頼っているので、これは大変なことになる。話は分かるな?」

「ええ、もちろんです。その事態を受けて日本は開戦に向かってゆくのですよね?」

「開戦?アメリカと戦争をすると言うのか?」

幸一は裕美子から話を聞きたいと思った。