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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 開戦と子育て 2

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「お父様もお母様もそのように堅苦しくなされぬよう。今日は忍びで来ておることだし、気軽に話そうではありませんか」

「はい、ありがとうございます。そうさせて戴きます」

テーブルに座った米内に女将が声をかけた。

「お兄さま、山本様はお元気にされていますか?この頃お見えにならないので心配しております」

「司令官はこのたび連合艦隊司令長官に再任された。今は忙しくてここには来れないだろう。だから私が代わりに来たようなものだ。ハハハ」

「そうでしたか。それはおめでとうございますとお伝えください」

「わかった。それよりお前はこの先どうするんだ?まだ一人だろう」

「そんなこと考えたこともないです。ここで楽しく過ごしてきましたからね」

「満州で開拓団が嫁を募集している。あそこは日本より食べるものも、生活する環境も豊かだぞ。少し寒いのが気にかかるが、いい相手が見つかれば考えてみたらどうだ?」

「満州?そんなところへ一人で行けと言われるのですか?考えたくありません」

「一人でじゃなく、相手を見つけたらと言っておるのだぞ」

「このまま独身で構いません。お兄さんには迷惑をお掛けしないようにしますから」

「相変わらずだなあ~司令官がそんなに好きか?」

「このような場所でそういうことを仰らないでください」