更新日時:2016-06-22 06:49:52
投稿日時:2015-08-24 14:34:09
都会の片隅で蠢く虫けら
作者: 楡井英夫
カテゴリー :現代小説
総ページ数:2ページ [完結]
公開設定:公開
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著者の作品紹介
ミドリは酔ってしまった。突然、何だか自分自身をさらけ出したい気分に駆られて身の上話をした。
有名な踊り子だった。ヨーロッパで活躍した。一時、城壁の町プラハで暮らした。プラハの片隅で男と出会い、恋に落ちた。しかし、男は金のために何でもする男だった。ある日、幸せは音もなく崩れた。結婚して1年も経たないうちに、彼が浮気をした。子供ができた。子供が1歳のとき、失火して子供は焼死。かろうじて彼女は助かった。
「私は虫けらなの。都会の片隅でうごめく虫けら。それにこんな跡もあるのよ」と胸と背中に大きな火傷の跡をは見せた。
「こんなひどい火傷の跡がある女を抱けますか?無理ですよね。だから、ずっと前に女をすてました」とミドリは笑った。
タケルは何も言わずに抱きしめた。
有名な踊り子だった。ヨーロッパで活躍した。一時、城壁の町プラハで暮らした。プラハの片隅で男と出会い、恋に落ちた。しかし、男は金のために何でもする男だった。ある日、幸せは音もなく崩れた。結婚して1年も経たないうちに、彼が浮気をした。子供ができた。子供が1歳のとき、失火して子供は焼死。かろうじて彼女は助かった。
「私は虫けらなの。都会の片隅でうごめく虫けら。それにこんな跡もあるのよ」と胸と背中に大きな火傷の跡をは見せた。
「こんなひどい火傷の跡がある女を抱けますか?無理ですよね。だから、ずっと前に女をすてました」とミドリは笑った。
タケルは何も言わずに抱きしめた。