「妖刀正宗の復習」 第四話
やがて戦争が終わり日本も敗戦から立ち直るべくアメリカの支援を得て大都市は瞬く間に道路が整備され、鉄道やバス路線が普及し、市民も活気を取り戻し始めていた。
そんな中で東京都美術館の新設が行われて疎開していた美術工芸品が戻ってきた。忘れ去られていた村正もその存在を覚えていた係員が保有者を探すべく新聞広告を出し戻ってくることを訴えていた。
元美術館員だった老人は頃合を見計らって、手紙を出した。
そこにはこう書かれていた。
「この正宗の一振りは江戸の時代より呪われた小刀にて必ず封印されている箱を開封することなく展示して戴けるのなら、お戻ししたいと考えております」
文部省の役人にはそのような戯言は通じなかった。
都の所有物にて即刻差し出さないと逮捕すると返信には書かれてあった。
渋々老人は都庁に届けて難を逃れた。自分が空襲の焼け跡から探し出したと話したが、担当した受付の役人は睨みつけて盗人のように扱われてしまった。
心の底で、「そのように人の好意を無にする奴は呪われればいい」そう感じていた。
そんな中で東京都美術館の新設が行われて疎開していた美術工芸品が戻ってきた。忘れ去られていた村正もその存在を覚えていた係員が保有者を探すべく新聞広告を出し戻ってくることを訴えていた。
元美術館員だった老人は頃合を見計らって、手紙を出した。
そこにはこう書かれていた。
「この正宗の一振りは江戸の時代より呪われた小刀にて必ず封印されている箱を開封することなく展示して戴けるのなら、お戻ししたいと考えております」
文部省の役人にはそのような戯言は通じなかった。
都の所有物にて即刻差し出さないと逮捕すると返信には書かれてあった。
渋々老人は都庁に届けて難を逃れた。自分が空襲の焼け跡から探し出したと話したが、担当した受付の役人は睨みつけて盗人のように扱われてしまった。
心の底で、「そのように人の好意を無にする奴は呪われればいい」そう感じていた。
作品名:「妖刀正宗の復習」 第四話 作家名:てっしゅう