クローバー タイム
私は小さい頃から本が大好きだった。友達とも遊ぶのも好きだったが。
学校の図書館に行っては、よく本を借りて家で読んだものだ。それが
大人になっても続いた。就職を決める時も図書館か大手の書店にするか
大いに迷ったが、まだ若かった私は都内の書店勤務に決めたのだ。
書店勤務は想像していたよりハードだった。また本というのは重いのだ。
最初の頃は腕だけで本を持ち上げようとして、腰を痛めた事もある。
ま、それも年数が経てばコツもわかった。今では腰を痛める事もなくなった。
書店に勤めて5年目のことだった。
いつも販売カウンターに入る前に、事務室に行って入荷本や返却本のチェックをする私だ。入荷返却予定のファイルに目を通して販売カウンターに入った。本が入荷され、後輩の書店員と売り場に本を棚に並べていた私の目に、あるものが写った。