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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「妖刀正宗の復讐」 第二話

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「お聞きしたいのですが、このような話は、そのう・・伝え話でこの小刀が他人に渡らないようにするためのこじつけだとは考えられませんか?」

「そのようなインチキなものも存在するとは思いますが、この正宗はただならぬ妖気を放っております。わたくし個人的な意見を申し上げますと開封することには反対です」

「我々には全く感じない何かを感じられていると言われるのですね?」

「そうです。それはわたくし以外のここに居るみんながそう感じていることでしょう」

「う~ん、そう言われるとこのまま倉庫に仕舞っておくことが懸命だとも思われてきました。今館長に再度どうするか意見を聞きてまいりますのでお待ちください」

担当者は館長の裁可を仰いだ。

「そのように申したのか・・・今回の展示物の中でも秀逸な一品であるがゆえにぜひとも観客を集める目玉にしようと思うのだが、そこまで言われると迷うな」

「館長、この封印のまま展示して謂れをちょっと大げさに書けば「妖刀正宗」として興味を引く展示となるのではありませんか?」

「それは良い考えだ。そうしよう。どちらにせよ開封しなくとも御祓いはして頂こう」

こうして霊媒師の御祓いがなされ、正宗はその歴史的謂れを書かれて展示された。
観客からはその中身が見たいと美術館に抗議の問い合わせがたくさん来ていた。東京市長からもなぜ中身を展示しないのかとお叱りを受けた館長はやむなく再び霊媒師を招いて御祓いをして開封することを決めた。