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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「幸せの交換」 第一話

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そんなタイミングで私に気のあった登志子の別れた彼が接近してきた。
誰に電話番号を聞いたのか知っていたことにも驚かされた。
当然付き合う気が無かったので断り続けたが、あることを聞いて気持ちがちょっとぐらつき始めた。

「なあ、聞いてくれよ。大事なことなんだから。顔見て話したいので前に四人で行ったスナック覚えているだろう?そこで明日七時ぐらいに待っているよ。絶対に来てくれよな」

「そんな一方的に言われても困るわ。予定はないけど、夜出かけるのは親の手前気が引けるし」

「二十歳すぎて就職しているんだろう?親なんて関係ないよ。頼むよ」

「早く帰るからそのつもりでね。本当に話すだけだからね。ねえ、誰に電話教えてもらったの?」

「野口だよ」

野口、それは自分に紹介しようと登志子が彼に頼んで連れてきた男性だ。
私は番号を教えたつもりはなかったのだが、知っていたとすれば登志子が教えたのだろう。

私は渋々承知した。今考えるとこれが最初の過ちだったのかも知れない。