嫌いなあの子
私
「香奈が好きだぁぁぁぁぁ!!!!」
小高くんは突然そう叫んだ。声が大きくてビックリした。それまで騒がしかった教室内が急にしんとなる。当たり前だけど。私はその時、あんまり直接は話したことのなかった他のクラスの渡辺くんと話していた。渡辺くんは学祭の時に私たちのカフェに来て、いきなりラインを聞かれて教えてしまってから毎日のように連絡してきた。そして、今日告白されたんだけど、やっぱりごめんなさいって言いに来ていた。渡辺くんと付き合うことを考えるとなんか違うかなと思って。それを切り出そうとした丁度その時に小高くんのシャウトが聞こえたものだったから、渡辺くんの顔はおもしろいことになっていたし、私も同じだったと思う。それは、とても大胆な告白だった。でも、嬉しかった。まさか告白されるなんて、小高くんが私の事を好きになってくれるなんて思ってなかったから。とりあえず、恥ずかしさからか固まってるこの人を人気のないところに連れ出そう。それから、ゆっくり話をすればいい。そこで伝えるんだ。
私も好きですって。