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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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その武器、使わないんですか?

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すべての人間に武器が与えられた。
その武器でならなにをしても許される。

「それで、僕の武器は?」

何度聞いても答えはいつも同じ。
すでに支給済み、だ。

「でも、僕はみんなみたいに剣や銃を支給されていません!」

すでに支給済みです。
もうすでに使っています。

「くそっ! もういいよ!」

なんで僕だけ丸腰なんだ。



パパパパッ。
ズバァツ。
ドゴーン。


街は今日も支給された武器が使われていた。
丸腰の僕にできることは、怒らせないことだけだ。

「その武器、いいですね。
 なんかアニメとかで使われていそう」

相手を怒らせてしまえば武器で殺される。
だったら、さっさと友達になってしまえばいい。

殺しのハードルが下がったぶん、
親しい人にはきっと武器を向けないだろうし。

「よし、これでひと安心だ」



と、思った矢先。
僕が話しかけた人は死んでしまった。自殺だった。

理由はわからない。
でも、おそらくこのイカれた世界のせいに違いない。

「やっぱりこんな世界は間違っている!」

耐えきれなくなった僕はお偉方に直談判した。


「どうしてこんな危険な世界を作ったんですか!」

答えは"みんな武器を持てば逆に振るわなくなるだろう"というもの。
お互いにけん制し合っての抑止力がなんとかかんとか。

でも、殺されることにおびえて生活するこの世界は間違っている。

「このままじゃ殺し合い続けるだけですよ!」


僕の言葉もあってか、最強の武器が等しく支給されることに。
単に最強といっても圧倒的じゃなければダメだ。
あまりに強すぎて使うのすらためらわれるほどに。

「そうだなぁ、誰にでも使えて、
 誰にでも深い傷を残せるような武器が強いだろうな」

いや、まだ足りない。

「さらに、広範囲に攻撃することもできて
 逆に限られた範囲に攻撃できるようなのが強いな」

もっともっと凶悪に。

「傷つけるだけじゃなく操ったりできれば最強だ!」



そんな武器をみんなに支給すれば、
きっと怖くなって誰にも使われないだろう。

お偉方は僕の提案を受け入れ
世界からその武器条件を満たす人間を探し、武器を回収することに。


これできっと平和になれるはずだ。


後日、お偉方が僕のもとにやってきた。

「検討の結果、最強の武器条件に当てはまったのは
 あなたの武器『言葉』でした」


武器を回収された僕はもうなにも言い返せなかった。