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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 舞い降りた天使 5.

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「女はそういう生き方しか出来ないのですか?それはおかしいです。みんなが声を出して男性だけの社会を変えないと欧米のような民主主義は実現できないって思います」

「なんだか難しいことを言うのね。噂じゃ日本は大きな戦争に巻き込まれてゆくらしいって聞いているの。この前にここに来た兵隊さんたちがそう話していた。伊豆じゃそれほど変わったことにはならないだろうけど、都会は戦争になると大変よ。たくさんの人が戦地に駆り出される。そうなったら旦那様も無事かどうかわからなくなる。女はそういう時に何が出来るの?私で役に立つならお慰めしてあげたいと本心で思っているのよ。あなたにわかる?」

「女将さん。山本様のことを愛してらっしゃるのですね。お話をお聞きしていてそのことが伝わりました。幸恵さんもそういう面では同じ気持ちでおられるのでしょうね。私は好きになった男性が今までいなかったのでよくわからないのですが、自分がこれから生きてゆくのにここでの生活以外は考えられません。お手紙を読ませていただいて・・・覚悟を決めさせてもらいます」

裕美子はドキドキしながら、女将から渡された五十六からの裕美子宛ての封筒を開いた。