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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 舞い降りた天使 4.

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「女だからね、もちろん殿方を自分のそばだけに来てほしいと思うわよ。でも今こうして生きていられるのは兄の好意と旦那様のお蔭なの。それに私はこの歳だからもうお傍でお相手をすることは減ったわ・・・寂しいわね。あなたのような若くて綺麗な人が羨ましい」

「では、ここで私が世話を受けるということは、いつか山本様の愛人になれと言われているようなことなのですか?そのことを私に言い聞かせるということでしょうか?」

「あなたは勘がいいのね。直接旦那様から言われてはいないけど、あなたが強く感謝をしているのなら、甘えたいのなら、そうしないと許されることじゃないって私は思うの。きっと渡されたこの手紙にはそう書かれていると思うわよ。開けてみてごらんなさい」

「私のいた世界では女性は一人で生きてゆく主体性が当たり前になっています。男女に区別も差別もない世界です。したがって女将さんが言われることに素直に従うことは出来ません。それは今度山本様にお会いした時にはっきりと話します。それではいけませんか?」

「あなたはここを出て一人で生きてゆけるの?ならそうしなさい。どんな生活をしていたのか知らないけど、横浜や東京に出たって今の時代働くところなんて、遊郭以外にはないわよ。そんなところで働くなら此処のほうがましよ。それぐらい解るでしょう?」

女将の指摘は厳しかった。