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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 舞い降りた天使 3.

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五十六は腕を組んで考えていた。日本にとって国内の世論を二分する大きな転換期を迎えていたからだ。昨年九月に結んだ日独伊三国同盟の影響で、明治以来親日的だったイギリスとも険悪な関係に陥り、中国で蒋介石率いる中国軍に味方するアメリカとも敵国関係になっていた。

五十六は強固に三国同盟に反対していたが、締結後は故郷に帰ってもう海軍の職を離れようと考えていた。それはアメリカに渡った時に軍縮会議での思惑通りに行かなかった経緯も影響していた。

「今はこれ以上お答えすることは出来ません。お許しください」

裕美子は戦争に負けた、無条件降伏をした、とはとても言えることではないと感じていた。
五十六から世話をするように指示された女将は、裕美子を形式上世間体もあるので従業員として雇用する形にした。