小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ぎーくおぶじえんど
ぎーくおぶじえんど
novelistID. 47644
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

偽電車男 第一部「栄光と地獄」②

INDEX|15ページ/16ページ|

次のページ前のページ
 

27.最悪な事態を回避するには


ワタセさんのライブに誘ってもらった。
ライブの参加者は嫌なシンイチさん、キョウスケさん、マリちゃん、ミズキさんなど会社のフルメンバーだ。
その日も、あまりマリちゃんとは話さなかった。
マリちゃんはシンイチさんと仲がいいことをアピール。

だが、マリちゃんがミズキさんに話しかけた。
「彼って、あれからアプローチしてるの?」
「いや、そんなことないよ。」
「でも彼、浮気性だよね」
「いや~、彼はまっすぐな人だよ。これ見てみなよ。」

マリちゃん、すげーうれしそうな顔になった。
うん、でも、ミズキさん、恋愛相談のこと内緒でお願いしてたのに、
バラしてもうた。
余計なことしちゃったね。
しかもやりとりのメールまで見せちゃった。
俺の計算が狂った。

このとき、もう一つ決心せざるを得なくなった。
俺が客先社員から受けているいじめのことを、ミズキさんが周りに漏らすことを恐れた客先社員たちがミズキさんにまで同じいじめをやりかねない。
ミズキさんは、本当にマリちゃんのことや俺のことを思ってくれて、恋愛相談に乗ってくれただけなんだ。
なのに、彼女がいじめに会うなんてことがあったら、あまりに申し訳ない。

(今の客先を出よう・・・)

ただ、ムカついたので、ミズキさんとメールで喧嘩したけどね。
「あれほど恋愛相談のこと話すなっつったろうが!あぶねーんだよ!」
「あたしが入手した情報をどう使おうと勝手でしょ!」
「あーもー。分かった。じゃぁ、後は何があっても、言うなよ。(俺が何とかしないと)」
「ふんだ!」

そこで、支社長がこっちに面談に来たときに、もうこう言った。
「何か、欝っぽいんです。今の客先変えてもらえませんか?体調悪くって・・」
「ああ、ワタセから聞いてたよ。じゃぁ、ちょっと休むか。次の客先は、希望あるか?」
「いえ、ここじゃなけりゃ、大丈夫です。」
「よし、産業医にいって、休職したほうがいいな。俺も同じような経験あるからさ。」
「(こんないじめの経験は絶対ねーだろ!)お願いします。」

その後、マリちゃんの耳に俺が客先止めることが分かったらしく、隣の島で泣きながら、「ださいし・・・えぐっ・・・きしょいし・・・ぐすっ・・・」と言ってて、キョウスケの野郎が慰めてた。
そして、結局マリちゃんとキョウスケは付きあうことになった。

サトウや客先社員たちは大喜び。
邪魔者排除できたってね。
翌朝の朝会でも「これで、隣からうざいヤツがいなくなります。」って言葉から開始して、みんなガッツポーズ。

「派遣が客先社員に逆らうとか、あり得ない!死ね!」
「ざまぁみろ!」
「絶対キョウスケ君の方がマリちゃんに似合ってる!」
「ミズキさんも、あいつが相談してたみたいです。絶対俺らのことしってますよ。どうしますか?」
「同じことやって、追い出せ」

もう、呆れることはなかった。
そんなことは絶対させねーよ。
怒りしかない。

このときは、客先の社長にまであいつらが悪口まいて、
「キョウスケ君の純粋な気持ちを踏みにじった。追い出せ」と言い出す始末。
これはやりすぎだろう。

設計チームのリーダー、エイイチロウさんは事情を良く知ってたが、キョウスケに肩入れして「あいつがマリちゃんの思いを突っぱねた」とか言いたい放題。
キョウスケ善、俺悪という図式を作られて業務中でもプライベートでも嫌がらせ。

だが、絶対ミズキさんにはそんなことはさせない。
メールでミズキさんに釘刺しといた。
「絶対これ以上何も言うな。俺はもうこの客先を止める。お前も俺の悪口を言って、自分の身を守れ。マリちゃんの件で客先からいじめ受けてたんだ。俺は鬱ってことにするから、あいつは鬱で意味不明なこと言ってたってことにしろ。いいな!」
ミズキさんからはメール返信なかった。

だが、これからあいつらは必ず一度はミズキさんに嫌がらせをするだろう。
絶対守らなきゃ。マリちゃんの幸せと、ミズキさんの幸せを。

最後に、マリちゃんと三人で話しをさせてもらった。
もう一人は同じ会社の空手経験者のやつだ。
ワタセさんに言ったら、そいつを入れて話をするように言われた。
マリちゃんが俺が暴れるとでも思ったのかな。
俺、そんなやつじゃないのに。

そして、ワタセさんが事情を知らずに「キョウスケ君にも謝れよ!」と言って、キョウスケと空手経験者のやつと俺の三人でも話しをさせられた。
本当はそんなことより、血気盛んな俺は、あいつらと20対1でも戦って、ミズキさんに手出ししないように俺がある程度やられても主犯メンバーをぼこぼこにしてやろうと思っていたのだが、それをやるとうちの会社の何も知らない奴らにまで迷惑がかかるからな。