偽電車男 第一部「栄光と地獄」②
25.マリちゃんの涙・・・
そしてマリちゃんといえば、客先の隣の島で、まだ悩んでいる素振りだったが、
まわりの客先社員が、キョウスケさんがシンイチさんに隠れて色々デートやらやってた?ことを俺がバラしたとか勝手にマリちゃんに話した。
俺はそんなことは一切言ってないが。
マリちゃんは「え?あいつ、シンイチさんに話したの?最悪!」
「シンイチさんは顔もファッションも完璧。彼よりはキョウスケさんの方が
かっこいい」
と言ってた。
隣の島で色々言ってたので、
「○○さん(マリちゃんの苗字)。ややこしくしたみたいですいません。」
「いいの。気にしないで。」
とやりとりをした。
そしたら穏健派っぽい一部の客先社員さんが、俺が嫌がらせ受けていて、マリちゃんへの思いを証明すべく一人で戦っていたことを話した。
で、マリちゃんは見直した見たいで、機嫌良くなったみたいだった。
「やっぱり、彼に恋に落ちてると思う。彼に気持ち伝えたほうがいいのかな。」
と言い出した。
(ああ、こりゃまたからかわれてるだけだ)
と思い、俺がマリちゃんに客先PC同士のチャットで
「すいません。俺、他の女の子にいきますね。迷惑かけてすいません。
今まで隣の島で話してたこと知らなかったわけじゃないんです。
でも振られたし、俺、ミズキさんにでもいきますよ・・・。
で、また振られるだろうし、そんときゃ笑ってくださいね(^^)」
とか冗談を送った。
そしたら、マリちゃん急に泣き出して、トイレに行った。
キョウスケさんがそれを追いかけた。
俺を追い出すために色々やっていた客先社員たちが、調子にのって「それ見ろ」とか「マリちゃんを泣かせたな。地獄に落ちろ」とか「これであいつは終わったな。次はシンイチだ」とか言い出した。
15分くらいたってキョウスケさんと戻ってきた彼女は疲れてたみたいだったけど、俺は仕事に集中して、忘れるようにした。
次の日、なるべくマリちゃんのいる島は見ないようにした。
そしたらマリちゃんが「無視するなんて、ひどいよ・・・」と、泣き出してまたトイレに行った。
泣きたいのは俺も一緒だったが、もう何が正解で何が間違ってるのか意味不明の訳わかめ。
その後、俺も必死で話かけてなんとかフォローしたんだけど。
「彼、優しいけど冷たいね。キョウスケさんの方がいいな。あいつ、ミズキさんを選らんだもの」
と一言。
キョウスケさんとまわりの客先社員は調子に乗って、色々な事情を知っている俺を追い出すためにマリちゃんを洗脳しだした。
サトウも俺の悪口や誹謗中傷をマリちゃんに次次インプット。
マリちゃんは、まわりが洗脳したかのように
「シンイチさんはかっこいい。キョウスケさんもかっこいい」
と言い出した。
そしたら次の日のうちに、俺がそのときやっていた岡田とノブヒコさんにしか
教えてないブログのHTMLコピーをサトウがどうやらUSBに保存して、持ち込んでまわりにばらまいたようだ。
まわりの客先社員とサトウとマリちゃんが話していた。
「うわ~、このブログ。猫の画像ばっかりとか気持ち悪い」
「あいつ、気持ち悪いでしょ!」
「きしょいね」(マリちゃん)
とか言い出した。
なので、俺は悲しくなった。
俺は、ストレス解消のために川原で空手を始めた。
一発、一発、拳に自分の中のたまった負のエネルギーをこめて昇華させるために。
それが、あいつらに見られて客先社員やキョウスケたちを刺激したみたいで、またいじめがひどくなったが、お構いなし。
そしてある日キョウスケが「これ見てみ?パソコンの中にあった」と、
キョウスケが”誰かさん”のパソコンの中から本物か分からないし、どうやって取得したかは知らないが、何かの画像を見せて、マリちゃんが「気持ち悪い」と言った。
たしかにそのとき俺のマンションの部屋の中に誰かが入ったような形跡があったが、誰が入ったんだろうなw
そしてピンポンダッシュに来たサトウが、電気のついた俺のマンションの部屋の前で、「起きてた」とかいいながら逃げていったりしたとき、俺は部屋の中で声ですぐに目が覚めて、近くにあったナイフを取り出し、戦闘態勢になって
身構えた。
逃げていったサトウの姿もばっちり目撃。
かかってくるなら、やるだけだ。
毎日500発以上のパンチ、キックの練習をして、有事に備えた。
河川敷で毎日ひたすら鍛え続けた。
そして、数日後彼女は「キョウスケさんと付き合います」とまた宣言した。
客先社員たちは大喜び。
キョウスケさんは調子に乗って、客先社員たちと俺の悪口を社内中にばらまき、客先のいたるところで陰口叩かれだした。
「種はまいといた」とか、笑いながらほざいたクソキョウスケが一番ムカついたが、マリちゃんがそれを望むのならしょうがないさ。
じゃあ、シンイチさんとはもう別れるんだろうなって思った。
実はこのとき、ミズキさんに恋愛相談に乗ってもらってた。
マリちゃんを最初に泣かしてしまったときに。
経緯を簡単に説明して、俺のブログを教えてマリちゃんへの思いや、俺のやったことが正しいことなのか?
ミズキさんの意見が聞きたかった。
そして、俺の中で彼女にどうアプローチをするか決めていたんだ。
作品名:偽電車男 第一部「栄光と地獄」② 作家名:ぎーくおぶじえんど