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心の傷から学ぶこと

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 私は高校で犠牲にしたものは多かったが、得たものはたくさんあった。最初の方に両親が大嫌いといったが、離れてみてありがたみや両親の私に対する思いがわかったのだ。今までどれだけ私のために頑張ってきてくれたか、褒めたり話を聞いてくれたりなどはしてくれなかったのだが、両親のことが理解できるようになった。仲良くなかった妹とも離れてみてお互いの大切さに気が付くことができた。これはとても大きなことである。その次に得たものは、人の痛みがわかるようになったことだ。私の母親はまったく理解がないのである。「そんなの病気じゃない」とか「弱いからだ」とか散々言われてきた。だが、こうなってしまった背景には両親が子供の話を聞いてあげるということを私に対しては全くしなかったので、私自身が「誰かに話を聞いてもらう」「相談する」ということを知らなかったためにストレスを抱え込んできてしまったのだ。責任感が強くてまじめで明るい性格な人がうつ病にかかりやすい傾向があるらしいのだが、なぜ責任感が強くてまじめなことがそういう風な病気につながってしまうのだろうか。少し理解に苦しむ。世の中、心が傷ついた人や悩みを抱えている人はたくさんいる。会社、学校、地域など様々な原因や背景があるだろ。しかし、いったいどのくらいの人が理解しているのだろうか。自分が傷ついてみないとこればかりは理解できないはないかと思う。どんなに頭では分かっていても経験しなければ傷ついた人の心は見えてこないのだ。私はある意味、傷ついてよかったのだと思う。自分が変わらなければいけないきっかけだったのだ。たくさん後悔もしたし「なんでこんな思いをしなければならないのか」と今でもふとした時に考えてしまう。不安なこともたくさんある。だけど前を向いていかなければならないのだ。どんなに辛くても嫌なことがあっても前を向いてればいつか必ずいいことが起きると信じながら今を生きていこうと思う。そう思うことはなかなか難しいのだが、もう少し私自身が大人になればおのずと思えるようになってくるだろう。その時が来るまで、いろいろなことをして、深みのある人間になりたいと思う。
 この経験を活かして私は将来、高校の教師になりたいと考えている。現代の学校教育ではいじめや家庭環境の悪さから非行に走る子供が後を絶たない。ネット社会が当たり前の世の中では、どんなに教師が気を付けていても気が付けないことや未然に防げないことはたくさんあるだろう。だからこそ、親と子供の関係性を深めて、学校と家庭が寄り添っていかなければならないのだ。私は両親に相談できない子や友達と良好な関係が築けない子供たちの相談相手になって、少しでも学校生活が楽しく過ごせるような環境を作っていきたいのだ。子供のうちから、ストレスで精神病にかかってしまうのは避けてあげたいことだ。人は一人では絶対に生きてはいけない。誰かが支えてあげないと生きていけないと思う。だからこそ、思春期で大人になろうとしている子供たちの助けになりたいのだ。自分が支えて欲しい時に誰もいなかった寂しさ、辛さを他の子供たちには味わってほしくない。心からそう思っている。活動を広げられるのなら、精神病で苦しむ人たちの助けになれるようなこともしていきたいと考えている。精神病の人は不安が尽きないから相手になってあげたい。自分が経験しているからこそ相手の話を聞いて、アドバイスをすることもできる。少しでも苦しくならないように、楽しい生活を送ってもらえる様にしてほしい。治すためには自分から飛び込んでいかなければいけない。何かにおびえ、自分の殻に閉じこもってばかりではいつまでたってもよくならない。何か行動することが大切なのだと感じた。それを誰かに伝えて一人でも多くの人が、何か変わることができたら私は嬉しい。これから未来を切り開くために私は一歩踏み出してみようと思う。

作品名:心の傷から学ぶこと 作家名:神崎蓮