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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 舞い降りた天使1.

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「大久保とやら中について来なさい。それにしても濡れているから風邪を引くといけない。女将に言いつけて着替えを用意させるから、まずは温泉で体を温めて用意が整ったらここで私を呼びなさい。逃げたりはしないだろうな?まあ、外は何もないからゆく当てもないだろうけど」

「山本さま、ありがとうございます。私はゆく当てもないので逃げたりすることはありません。それにお金も持っていませんので、お世話になってもお支払いは出来ません」

「金を私が取るとでも思っておるのか。余計なことは考えずに言われたように従ってここで待ちなさい。解ったな?」

「はい。ご親切恩に来ます。では失礼します」

裕美子はそういうと女将に案内されて奥の女風呂に入り、体を温めてから渡された着物を羽織ったが、帯が結べなかった。女将は笑いながら、「恥ずかしいことですよ、これぐらいはやれないと笑われますよ」、と言い聞かせながら教えるように帯を巻いてくれた。

縛っていた髪をほどき肩まであるばらけた様子に再び女将はそのような髪で旦那様に会うのは失礼だからと櫛で梳いて、結い上げてくれた。