ゴキブリ勇者・結婚編
雨がしとしとと降り続けている。
六月の花嫁は幸せになれるというが、本当だろうか。
俺は一人でソワソワして、アイツになにも言えていなかった。
「どうした?」
ずっと「おい」とか「お前」とか名前を呼ばないで関わってきたので、エリカと呼ぶのもためらわれる。
こんな状態で結婚だなんて、先走りすぎだと自分でも分かっていた。
「なんでもない。雨やまないかなーと思ってさ」
「ふーん。私はけっこう雨は好きだがな。
君におすすめしてもらった曲も、雨の日だとしっくりくるぞ」
「ノエルのことか?」
「ああ、私もかなり好きになったよ」
また、どうでもいい会話で思いが流れていってしまう。
でも、今日こそは言うと決めてたんだ。
告白をしようと声をかけようとした瞬間、アイツが口を開いた。
「なぁ、私たち別れないか?」
俺はなにも言えずに口をパクパクさせるだけだった。
六月の花嫁は幸せになれるというが、本当だろうか。
俺は一人でソワソワして、アイツになにも言えていなかった。
「どうした?」
ずっと「おい」とか「お前」とか名前を呼ばないで関わってきたので、エリカと呼ぶのもためらわれる。
こんな状態で結婚だなんて、先走りすぎだと自分でも分かっていた。
「なんでもない。雨やまないかなーと思ってさ」
「ふーん。私はけっこう雨は好きだがな。
君におすすめしてもらった曲も、雨の日だとしっくりくるぞ」
「ノエルのことか?」
「ああ、私もかなり好きになったよ」
また、どうでもいい会話で思いが流れていってしまう。
でも、今日こそは言うと決めてたんだ。
告白をしようと声をかけようとした瞬間、アイツが口を開いた。
「なぁ、私たち別れないか?」
俺はなにも言えずに口をパクパクさせるだけだった。
作品名:ゴキブリ勇者・結婚編 作家名:オータ