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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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コーヒーの味。

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“お母さん、先ずは安定しましょう。毎日毎日コーヒーを作っていますが、ばら付きがあります。なので先ずは練習して、安定に持って行きましょう。それからですよ。…お母さんのコーヒーよりあいちゃん(仮名;私)のコーヒーの方が美味しい…と感じてしまいます。…あれっ、何故でしょう…。”
と言った。
その言葉を聞いたからか偉そうな態度はなくなり、お母さんはため息を付いた後小さな声で返事をした。

それからまた、お母さんの家に帰った時は私がコーヒーを作った。
お母さんは私の技術を盗もうと睨み付けるようにしっかり側にいる。
そんな時上は私に、
“そんな簡単じゃないのにね。”
とコソコソっと言う。
私は静かに肯く。

そしてそれから数年経って、今のお母さんは私のコーヒーの味に敵わないと言うようになった。
今となっては私のコーヒーを飲める時を心待ちにするようになった。
そしてお母さんに、
“今まで美味しいと思ってたいくつかある喫茶店のコーヒーが全部飲めなくなった。どうしてくれるの?!”
と言う程にまでなった。
なので、お母さんにいろんなコーヒー屋さんに行ってもらって、私のコーヒーとどっちが美味しいか比べてもらい、お母さんがどんどんコーヒー屋さんに行けなくなるのが私の目標となった。
作品名:コーヒーの味。 作家名:きんぎょ日和