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戦国雑談 第1話 今川家襲来

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第一章
「あれが安土の城だよ」
「すごいな」
「信長様の城」
「あのうつけがとうとうここまできたか」
「この琵琶湖を望む土地にこんな立派なしろがねぇ」
「ここは京より栄るかもしれないね」
「楽しみだ」
信長が造った安土城を観て地元の農民たちが話していた。
信長は京に近く、湖もあり、交通の要所である近江に城を造った。
信長といえば楽市楽座。
商人達が好きなように商売をし茶店や旅籠など自由に商いができる土地である。
楽市の市は商売、楽座の座は通行料などをさす。
つまりやりたいことを自由にしていいということだ。
それにより信長が直轄地として納めてきた土地は栄ていた。
直轄地(ちょっかつち)とは家臣に土地を与えず自ら政(まつりごと)をする土地をさす。
清須、岐阜、そして安土、と信長は本拠地を替えてきた。
その先々で楽市楽座をして国を豊かにしてきたのである。
信長は領主としては素晴らしい才能を持っていたのだ。

時代は遡る(さかのぼる)
「あれが尾張のうつけ様だよ」
「あれがそうかい」
「まことうつけだこと」
「この清須はあの方で大丈夫かね?」
「信秀様の嫡男じゃ大丈夫じゃろう」
「美濃のマムシ様もついておるしの」
「じゃがこの小さな国のうつけと美濃の道三様はなぜ手を結ばれたのじゃろう?」
「尾張を攻めとる絶好のチャンスなのにな」
「あのマムシが認めるだけの才能がうつけ殿には備わっているのかもしれんな」
「そう信じたいとこじゃな」
「うわさでは駿河の義元様が京に上られる準備をしとるとか」
「なるほどうつけなら倒せると」
「信秀様は戦上手でしたから義元殿も手を焼いておられた」
「うつけが継いだのを狙ってきたか」
「ここは商業の要所である伊勢湾がある」
「伊勢湾は堺や京とも商いをする要所、東海の義元様は喉から手が出るほどほしいでしょうな」
「うつけ殿がどこまでやれるのか見物ですな」
「そうじゃな」
東海道一の弓取りといわれた今川義元。
「弓取」とは武に秀でたものという意味。
東海道で一番強いということである。
義元は愚将などではなく強い武将だった。
「雪斎まろはどうしたらよい?」
「は、殿は甲斐の武田、相模の北条と手を結ばれるのがよいと思われます。」
「雪斎の好きにするでおじゃる」
「御意でござる」
太原雪斎(たいげんせっさい)は義元の補佐役や教育係を務めた人物である。
四男の義元を今川の当主にしたのも雪斎の影響が大きかった。
雪斎は今川、武田、北条の三家の婚姻を成功させ、甲相駿三国同盟に成功する。
が、その直後雪斎はこの世を去る。
雪斎は地盤を固めるように諭していたが、雪斎亡き後、義元は京に上がることを決める。
義元の領地は駿河、遠江、三河とありこの当時の領土としては、一番大きかった。
まず攻めるところは、そう信長のいる尾張である。

義元攻めいるの報はすぐ信長の元に届く。

「申しあげます」
「なんじゃ申してみよ」
「駿河の今川義元が我が領内に向け軍を出したと報告がありました。」
「して敵の兵の数は?」
「草の申すには2万から2万5000と」
「承知した。報告ご苦労。」
「は、失礼いたします。」
「まて、後で話がある軍義が終わったのちわしの寝所へこい」
「承知、では失礼します」
「軍義を開く皆を集めよ」
信長は軍義を開いた。
「皆も知ってのとおり今川が攻めてきおった」
「ここは籠城して敵を迎え討つべきと存じます。」
「いや籠城しても勝ち目はござらぬ、打ってでて死に花咲かせましょう。」
「我らの兵のをかき集めても2500人程度10倍の今川軍と戦うなど不可能、ここは城を明け渡すべきです。」
「何をいうかみすみす降参などできるか」
「武士の面目がたたぬ」
「いやここは生きる事が肝心」
「何をいうか死ぬのが怖いのか」
「何を?」
ここでたまらず信長が止めに入る。
「もうよい、そちらではらちが明かぬ、わしが決めるゆえ今日は解散」
軍義の場から離れた。
そして寝所に入った信長に一人の男が話しかける。
「信長様お待ちしておりました。」
信長は答える
「待たせたな、楽にしろ」
「御意」
「そちを呼び立てたのは他ではない、今川の事で相談があるのじゃ」
「はい、承知しております。なんなりとお聴きくださいませ。」
「義元の本陣の数と将の数は?」
「おそらく5000くらいだと思われます。」
「進軍速度は?」
「ゆっくりと進軍しております。」
「先陣は誰じゃ?」
「三河の松平元康殿です。」
「そうか、では話を変えよう」
「御意」
「この金を持って国境の村にいけ、そして村の住人に今川軍の動きを探らせるのだ」
「味方に引き入れろということですか?」
「そうだ地元の者なら怪しまれず動きは回れる、それをお前が繋ぎを取りわしに報告するのだ
、できるか?」
「できます。」
「報告はどんな些細な事でも構わん。但しわしに直接報告せよ」
「御意」
「織田家の命運がかかっておる頼んだぞ」
「御意、それではこれにて御免」
信長はある男に密命を下した。
男は早速村にいき、味方につけることに成功する。
信長の読みが当たったのである。

それからまもなく報告がもたらされた。
「義元の本隊を発見しました」
「わかった。湯漬を持て、戦の支度じゃ」
「敦盛を舞う。鼓をもて。」
「よし熱田神宮に戦勝祈願じゃものども続け」
そう言い残した信長は供回りの者5人足らずで出陣。
それを知った家臣たちは慌ててあとを追った。
熱田神宮に時の声があがる
「えいえいおー」
「えいえいおー」
信長は敵の位置を把握。
この戦いのために砦を築き、先陣はを釘付けにした。
本隊はがら空きであった。元々土地勘のある信長は敵に悟られぬよう進軍した。
ここであの男から連絡が入る。
「申しあげます。今川軍は先陣が砦を落とした事を喜び宴を開いております。隊列は伸び、本隊をは孤立」
「あいわかった報告ご苦労」
信長は全体に報告する。
「狙うは義元の首のみ、進めー」
「おー」
信長は地元の農民たちに宴を開かせ、義元の本隊を酒を振る舞った。
気分がいい義元は農民たちの宴を気に入り飲み明かした。
ふと気づくと宴をしていた農民たちはすでになく、そこにいたのは信長の軍勢であった。
義元の本隊は宴の余韻が残る状態で攻められたためまともな戦が出来なかった。
他の部隊も近くにいたのだが、
「なんか本隊が騒がしいですね?」
「宴の席で喧嘩でもしているのだろう。」
「そうかも知れませんね」
と信長が攻めてきたとは思っていなかった。
本隊を追い詰め義元の本陣に迫る。
「義元覚悟!」
「まろがそちら田舎侍にまけるものか」
「くらえ」
「こんな攻撃ではまろはたおせぬぞ」
「義元だけを狙え、あとのやつらは気にするな」
義元は信長の兵を次々と倒していく。が多勢に無勢。
義元は追い詰められ
義元は刺された。
そして、
「今川義元の首討ち取ったり~」
「えいえいおー」
「えいえいおー」
と声があがる。
ここにきて義元が討たれた事を知った今川軍は撤退していった。
義元を討った織田軍も撤退。
本拠地清須に帰っていった。

ここであの男が呼ばれた。
「そちの働き見事」
「は、」
「そちの働きでこの戦、勝てた。」