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てっしゅう
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SF小説「AKARI」 最終回

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「はい、こうするしか自分が生きてゆく選択を決めれなかったの。山口さんとずっと一緒に居ることはこうする他ないって。未来のGEORGEという仲間に私の意識生命体を加古さんから移し替えてもらった」

「なぜおれの妻の身体に移ろうと考えたんだ?」

「なぜ?それは山口さんのことが好きだったからよ」

「AKARIにはそういう男と女の感情はなかったんじゃないのか」

「加古さんの身体に長くいて、私の意識生命体はこの時代の女性が持つ感情を受け入れてゆくようになってしまったの。私にとってそれは不愉快ではなく安堵感のある心地よいものでした。山口さんが私以外の女性と仲良くすることに強い不快感を覚え、毎日苦しくて、悲しくて、耐えられないと思いました」

「AKARIはその思いから自分を救うために、意識を妻へ移すことを思いついたという訳か?」

「ごめんなさい。私は身勝手なことをしたと思います。山口さんが許せないと言われるのでしたら、未来へ伝えて私は違う人に移し替えてもらいます。
いえ、もう誰も迷惑をかけられないから永久に意識生命体として未来へ戻ります」

山口は迷った。そして悩んだ。結論が出ないまま二人はベッドに横になって天井を見つめていた。
AKARIの思いは山口にとって嬉しいことではあった。それは加古という若い女性の身体と共にあったからなのかも知れない。
妻がAKARIになったことが同じように嬉しいとは感じられない自分に迷うのだった。