頸動脈
君と通った道
自転車で走った
何年も君と一緒に通った
私の家から君の家までの道
行くとき
特に感じることはなかった
どの道を通ればいいのか
それすらよくわからなくて
何度も間違えた
いつも必ず通った公園を抜けて
引き返した
今度は私の家へ向かう道
胸がつぶれそうになった
そうだこの道
何年も君と通った道
私はいつも
暑い日も寒い日も
君に家まで送ってもらってたんだね
眼前に広がる町並
左右に並ぶ看板
くるくるかわる正面の映像
思い出したよ
ぜんぶおぼえてる
消えてない
君との日々は色あせても
この道は何も変わらない
君と通った道
いまひとりでとびこんでも
あの日に戻れる
あの日の君が
自転車をこいでいる