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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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誕生日の大切さ…。

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今の状況になる二~三年前…、ということは五年くらい前のこと。
その当時、お母さんが宗教を始めた。
(今は止めたけど…。)
その宗教の中の考えに、
“誕生日をしてはいけない。”
とある。
その理由をお母さんは何度も話してくれた。
“昔、ヨハネという人がいて、その人はキリストを信じていたの。ヨハネは領主のアンティパスの行いを罪だと言って牢屋に入れられたの。そしてアンティパスの娘の誕生日に、アンティパスが、《何が欲しいか?》と娘に聞いたら、母親が娘に耳打ちで、《ヨハネの首と言いなさい。》と言ったの。娘はそれをアンティパスに言ったの。アンティパスはしたくなかったけど、自分の地位の立場があるからということから、ヨハネの首を切らせたの。そして大皿にヨハネの首を乗せて持って来たの。そのことで神は怒って、《もう二度とこのようなことがないように。》って言ったの。だから誕生日をしてはいけなくなったの。だから、お母さんもお母さんの誕生日をしなくていいし、おめでとうって言葉も言ってはいけないし、言わないでね。”
という説明を何度も聞かされていた。

これを聞いて私は、この話の何処に誕生日をしたらいけない事に繋がるのか疑問があった。
でもお母さんにそれを聞く度に、
“お母さんじゃ説明が出来ないから、あなたも勉強をすればちゃんと理解が出来るわよ!!”
と言われるばかりで答えには行き着かなかった。

それから二~三年後に上(神様とキリスト、たまにモーセ…関係ないけど…。)が出て来て、尚もお母さんはそのアンティパスの話をして来た。
それを聞いて上が口を開いた。
『ではどうして聖書の中に出て来る人たちは年齢が分かるのですか?その年はどうやって数えたのですか?誕生日はしないけど、自分の生まれた日は知っているので年だけは数えるのですか?』
お母さんはそれを聞いて、
『どういう意味?!』
と聞いてきた。
私が代わりに説明した。
『聖書の中の…例えばモーセは百二十才?!だったかなぁ~。とかサラは百二十七才とかアブラハムは百七十五才とかあるけど、これはどうやって数えたの?って聞いてるんだと思うよ。』
お母さんから、
『あら~…。』
と聞こえた。
そして、
『本当ね~。どうして年を数えたんだろう?あらまぁ~、この事誰も気付いてないのかも…。』
と聞こえた。
『アンティパスの話があるまでは誕生日をしてよくて、アンティパスの出来事があってからは誕生日をしてはいけないってなったの?でも、その後も、聖書に載ってる人の年齢って書かれてるし、ネットで調べたら年齢が分かる人もいるよ。これは何で?!神を信じてる人は誕生日はしないけど、年齢だけは数えましたっていうのも腑に落ちない…。』
と私は言った。
『言われたらそうね…。確かに…。でも…誕生日はしちゃいけないのよ…。そう習ってるから…。』
とお母さんも理解を示すが、心は宗教に向いている。
そして、私は聖書の中のアンティパスの事が書かれている部分をお母さんから聞き読んでみた。
もちろん、上が何処から何処までを読むと分かるかをも教えてくれながら読んだ。

読み終わって私はお母さんに、
『読んだけど、その話の続きに、“これからは誕生日をしてはいけません。”とか、“年齢を数えるだけならいいです。”とか書いてないよ。どこからそんな話になったの?!何処に書いてあるの?!索引から調べたけど、少なからず索引からの範囲にはそんなこと書いてなかったよ。』
と私は伝えて、お母さんの説明を待った。
お母さんからは唸り声が聞こえるばかりで本題に入ってくれない。
それでも私は待った。
そして、
『…書いてない…?!お母さんは何度も読んだけど…。』
と言う。
『じゃあ、お母さんも同じ所を読んでみて。』
と言って、お母さんも読んだ。
私は待っていた。

お母さんは読み終わると、
『うん…、やっぱり書いてある通り…。誕生日はしちゃいけないの。』
と言う。
私と同じ場所を読んでこうも解釈が違うものなのかと私は首を傾げた。
こういうことは全くないわけでもないから、大した事ではないと思う。
しかし、私は書いてないはずの言葉があるとは思えなかった。
なので、お母さんに、
『今の文章を読んで、誕生日をしたらダメって思ったんだよね?!じゃあ、この文章の中の何処に、神様が言った、“誕生日をしてはいけません。”っていう言葉が出て来た?!私は気付かなかったから教えて。ちゃんと聖書の中から文章で教えて。』
と私は強く言った。
お母さんは、“何を言ってるの?!書いてるのに…。”というような空気を出しながら、お母さんも引くことなくその部分を探し始めた。
受話器越しに待ちながらお母さんの独り言を聞いていた。
ブツブツ何かを言いながら…。
それでも私は黙って待った。

お母さんはその話の全体を読み終えたようだ。
そして聞こえた音が、
『あれっ?!』
だった。
でも私は突っ込まずに黙って待った。
お母さんが慌てて、
『ちょっと待って、ちょっと待って。…あれ~、おかしいな~…あったはずなのに…。』
と言ったので私は一つ肯くと、お母さんは声を漏らしながら超特急でまた文章を読み始めた。
その慌て振りが面白かったけど私は我慢して笑わなかった。

そしてお母さんは読み終えると一言呟くように言った。
『…ない…。』
と。
私は声を出さずにガッツポーズをした。
そんな私に上は肯いた。
私は、
『でしょっ!!この話を読んで誕生日をしたくないならその人が止めればいいことで、だからって上は誕生日を止めなさいなんか言ってないよ!!そして、その話の続きに、その時にそのことを知ったキリストは何をしたか知ってる?!…一人になるために船に乗って寂しい所に行ったって書いてあるよ。キリストも、“これからは誕生日をしないでください。”なんて言ってないよ。』
と言った。
お母さんは呟くように、
『書いてない…書いてない…。全然書いてないね…。』
と言いながら、本をめくる音が受話器からパラッパラッと聞こえてくる。
『お母さん、これが曲解と洗脳なんだよ!!文章に書いてないのにそこまでねじ曲げたら曲解で、そう思い込ませることが洗脳なんだよ!!』
と私は言った。
『はぁ~、曲解と洗脳か~。はぁ~。』
とお母さんからため息が聞こえた。
『それと、キリスト本人にどうしてその時そうしたか聞いたよ。“人として生まれて、辛さや悲しみがこんなにも苦しいものだと知りました。その時に一人になりたかったのは、誰の声も聞きたくなくなり、誰も居ない場所に一人になりたかったのです。ヨハネの事を受け止める時間が欲しいと思ったのです。”だってよ。全然宗教のおばちゃんたちが言ってることと違うよ!!』と私は言った。
『あらまぁ~…。確かに、その後キリストが一人になるためにって読んだことある…。そういう意味か~。』
とお母さんはいろいろ考えながら受け止めているようだけど、